会長挨拶

 本協会、日食協は、1977年(昭和52年)に「全国缶詰問屋協会」を母体として設立されました。それまでは、多様な加工食品を扱う総合食品卸を全国規模で束ねる組織はありませんでしたが、1970年代に急速に進んだ加工食品流通の取引環境変化の中で、取引の実態把握や意見集約を推し進めるという役割を担って発足しました。その後、農林水産省主管の社団法人となり、また2012年の公益法人制度改革により一般社団法人となり、現在に至っております。
 加工食品流通業界は多品種の商品が多頻度で流通している業界であります。それらの商品は国民の食生活を支える必需品であり、いかなる災害、緊急事態の状況下においても、安定的に流通を維持することが求められており、それを果たすことが私どもの業界の使命でもあります。その実現のためには、サプライチェーン全体のタテ(製造−卸−小売)とヨコ(卸−卸)の連携が重要な要素であり、この連携が上手く機能することによってこそ、生活者に対し、安定的に商品をお届けできることになります。
 私ども卸売業はサプライチェーンの中間に位置しますが、中間だからこそ果たさなければならない機能が数多くあります。受発注等の商流情報をやり取りする情報システム機能、多頻度多品種の物流を維持管理する物流管理機能、これらの機能は個社で構築できるものではなく、やはり業界協調のスタンスで標準化・運用ルールの統一を前提に進める必要があります。日食協では従来より、メーカー・卸間の伝票様式、EDI標準フォーマットの規定、物流拠点におけるトラック入荷受付・予約システムの開発等を通じ、サプライチェーン全体を効率的に繋ぐ役割を担ってまいりました。しかし昨今では、AI、IoT等の技術革新により更なる効率化が求められ、また持続可能な物流の構築は社会全体の喫緊の課題でもあります。このようなテーマに対し、引き続き協会として主体的に取り組み、関係者の皆さまのご期待にお応えできるよう尽力してまいります。
 協会の精神であります「競争と協調」をモットーとして、加工食品流通業界の発展・向上、国民生活の向上に努めてまいりますので、今後ともご支援の程、よろしくお願いいたします。

一般社団法人 日本加工食品卸協会
会  長    國  分   晃